Story

19世紀末、フランス。色とりどりの花々が咲き誇り、樹木が茂る広い庭のある邸宅で、両親から深い愛を受けて育ったヴァランティーヌ(オドレイ・トトゥ)。17歳になった彼女は、先方からの希望でジュールと婚約するが、考えた末に解消する。しかし、ジュールは諦めず、そんな彼の純粋さに惹かれたヴァランティーヌは結婚を決意する。

6人の子供たちに恵まれ、満ち足りた人生を送っていたヴァランティーヌに、生まれて間もない赤ん坊が亡くなるという、初めての不運が襲い掛かる。それを機に、まるで手にしたものが奪われるように、結婚20年目を迎えた年にジュールが急逝する。夫を失った悲しみが消えることはなかったが、子供たちの中に宿る夫の存在をふと感じるたびに、心が癒されるのだった。

ところが、第一次世界大戦が始まり、一番上の双子の息子たちが徴兵される。まもなくヴァランティーヌは、同じ日に2通の戦死通知を受け取る。母は息子たちの最後の顔さえも見ることは叶わなかった。
そんなヴァランティーヌを静かな幸せで満たしてくれたのは、二人の娘たち、マルゴとエリザベットの成長だった。だが、そのエリザベットも病のために若く美しい命を散らす。

暗雲に覆われた日々に、息子のアンリ(ジェレミー・レニエ)が、明るく暖かな光を届けてくれる。両家の親が望んでいた、幼なじみのマチルド(メラニー・ロラン)との結婚を決めたのだ。その輝きも、マルゴが修道院へ入ることを決めた時に翳りを見せるが、やがて初めての孫を抱く喜びが、再びヴァランティーヌを元気づける。

マチルドには、互いに“幸せでいてほしい”と心の底から願う親友がいた。ガブリエル(ベレニス・ベジョ)という姉妹同然に育った従姉妹だ。ガブリエルは親同士が決めた相手、シャルル(ピエール・ドゥラドンシャン)と結婚する。最初はうまくいくか不安に駆られていたガブリエルだが、まだ愛していないが、愛は学ぶものであり、君を愛し続けると約束すると率直に語るシャルルの誠実さに、安らぎと情熱を見出していく。
マチルドとアンリ、ガブリエルとシャルルは同じ建物の部屋に暮らし、毎日のように行き来していた。ヴァランティーヌも、失った娘たちに代わって、マチルドを実の娘のように可愛がり、その親友であるガブリエルも受け入れる。それぞれの子供たちも増えていき、さながら大家族のような賑やかで心躍る日々が続いていく。だが、光が輝けば影もまた強くなり、胸踊る出会いの後には、切ない別れが訪れる。──ヴァランティーヌとその愛しい家族たちの運命が、激しく動こうとしていた──。


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